グローバル・ビジョン(2008-?, 東北新社制作)

毎回世界3カ国、別々の街で暮らす人が、ある共通のテーマについて、どのように考え、どのように取り組んでいるかを映し出すドキュメンタリー番組。大好きな番組だったが、いつの間にが放送が終了していた。

最後に観た時は、「世界の本」がテーマだった。シンガポール、スロベニア、ニュージーランドに住む3人の日常生活における「本」との関わり方が紹介された。シンガポールのクローリンさんは、国内初となる電子書籍の読書カフェを運営し、新しい読書スタイルを広めるために奮闘していた。スロベニアのダミヤンさんは、絵本の挿絵画家で、子ども向けの辞典の挿絵を作っていた。ニュージーランドのサリーさんは、小さな出版社を経営する女性で、ニュージーランドの文化、人びとの生活や夢を、紙の本として出版することにこだわっていて、その狙いや出版までのプロセスを垣間見ることができた。

3人の日常生活における「本」との関わり方を見ることによって、現代を生きる私たちにとって「本」とはどのような存在なのかということや、「本」をめぐる経験がどのようなものなのかが、見えてくる。

ディレクターがひとりで世界各国の街に入り、そこの生活者と同じ視線で、その街の中に溶け込みながら取材するというスタイルで番組が作られている。この番組のアプローチは、「ものと人の社会学」という本のスナップショットの方法を思わせる。ある人とものや出来事の具体的な経験から世の中を描くスタイルだ。