貧困の文化―メキシコの“五つの家族”(2003, オスカー・ルイス)

メキシコの「家族」に関する研究で世界的に知られている人類学者オスカー・ルイスは、「家族」を対象とした詳細な観察とインタビューにもとづいて、発表から50年以上経過した現在も参照され続ける研究成果を提出した。ルイスは、「家族」は個人と文化の間にある媒介役だと位置づけ、「家族」の詳細を調査することで、「貧困の文化」の理解を試みた。「家族」がどのように成り立っているかを理解するために、彼は「ある1日」に焦点をあてる方法を採用した。ケン・プラマーがのちに述べているように、ルイスは、ひとつのまとまりある研究として「ある1日」に焦点をあてることの意義として、1日は実際的な面では集中的な観察が可能な程度に小規模であり、生活の細部にも全体についても配慮がゆき届くということなどを挙げている。

彼の著作は、少数の対象からなる民族誌的研究により学術的に社会的に価値のある知見を生み出すことができることを示している。