コールドケース 迷宮事件簿(2003-2010, CBS制作)

アメリカの一部の州では、時効を過ぎてしまった未解決事件について、新たな証拠や犯人の自白が得られれば、時効を解除して立件できる制度があり、それを「コールドケース」と呼ぶらしい。このドラマシリーズでは、毎回ひとつの未解決事件を捜査し、その解決を目指すプロセスが描かれる。コールドケース専門の女性刑事リリーは、何年も経過した事件の資料を丁寧に見返し、現場を訪問し、関係者とのコミュニケーションをはかりながら、事件をめぐる新たな解釈を構築していく。

数年前の事件ならまだしも、何十年も前の事件で、すでに現場が面影がないほどに変わっていたり、関係者が亡くなっていたりと、手がかりが少なくなっても、わずかに残された証拠や記録をつなぎあわせて、真相に近づいていこうとする執念と技術は、研究者としても学ぶことが多い。また毎回印象的なのは、リリーが、捜査の最後に、亡くなった被害者の姿を思い浮かべ弔うシーンだ。事件の真相を明らかにすることだけを目指しているわけではなく、それを取り巻く人びとに対する想像力、優しさが、彼女の仕事の中ににじみ出ている。