シンプルの正体 ディック・ブルーナのデザイン展(2017, 東京会場)

幼い頃からミッフィーには親しんできたが、作者であるブルーナさんに興味を持ったのは、10年ほど前にオランダのユトレヒトでディック・ブルーナ・ハウス(現在はミッフィー・ミュージアムとしてリニューアル)を訪れてからだ。そこで、世界で愛されるキャラクター、そして絵本を描き続けてきたブルーナさんのドキュメンタリーを観た。ブルーナさんは、毎朝規則正しく、自転車でアトリエに向かう。その途中でカフェに寄りコーヒーを飲み、新聞を読む。アトリエに着くと、スケッチを始める。絵を描くとき、色は原則として6色しか使わない。絵本の文章は1ページに4行までと決めている。作品を描き上げると、妻に見せて意見をもらう。妻の意見で、修正や変更を加えることもある。そして夕方になるとまた自転車に乗り、自宅に帰る。

暮らしも創作活動も「シンプル」。徹底した哲学が、世界の人を魅了しつづける美しく愛らしい作品を生み出す力になっていたのだろう。今回の展覧会で、原画や最近の作品を観ることができて、本当によかった。この展覧会の企画を担当し、招待してくれた大学時代の友人に感謝だ。