イヴ・サンローラン(2010, ピエール・トレトン監督)

本作は、女性が男性のようにパンツスーツをスタイリッシュに着こなすことが可能な〈世界〉をつくった、偉大なファッション・デザイナーであるイヴ・サンローランの生きざまを、公私ともにパートナーであったピエール・ベルジェの語りによって描いたドキュメンタリー作品だ。イヴ・サンローランの物語ではあるが、イヴ・サンローランを生涯支えたピエール・ベルジェとのパートナーシップの物語でもある。ちょうど最近読んだ『POWERS OF TWO 二人で一人の天才』という本で、偉大な天才とされる人でも、孤独に偉業を成し遂げられるわけはなく、1+1が無限大に感じる人とペアを組むことで成し遂げているものだという話をしていたが、この作品を観てもそれを感じる。

イヴ・サンローランは世界に名を轟かせたけれども、その名声は終わりなき苦痛をもたらした。その苦痛を抱えながらも世界に驚きを与え続けられたのは、尊敬と愛と忍耐で結ばれたピエール・ベルジェとの絆があったからなのだ。

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