ホー・ツーニェン作 2匹または3匹のトラ(2017, サンシャワー:東南アジアの現代美術展@国立新美術館)

シンガポールにおいて、19世紀にイギリスによる植民地政策として行われたマレー虎の虐殺がテーマの映像作品だ。ホー・ツーニェンは近年、東南アジアを主題とした映像を中心としたインスタレーション作品を多く発表しているアーティストらしい。上映室に入ると、左右両側に大きなスクリーンがあり、それぞれに、トラと人間が登場する異なる映像が映し出され、映像同士が対話するようにして物語が進んでいく。CGもナレーションも迫力がある。東南アジアでは祖先の生まれ変わりとして崇められてきたトラを、西洋人がその文化的な文脈や価値を無視して殺すという行為が、一体どのような意味を持っていたのか。トラと人間の対話の真ん中に佇み、両側に映し出された映像に圧倒されながら考えさせられた。単に上映するのではない映像の使い方、観せ方もとても興味深かった。