ルーカス・クラナッハの飼い主は旅行が好き(1989, 山本 容子)

本書も、昨日レビューを描いた『お楽しみはこれからだ』と同じくBOOK TRUCKで見つけて、いわゆる”ジャケ買い”してしまった。銅版画作家の山本容子が、絵と短いエッセイで、世界各地の旅先での出来事を描いている。単行本なのだが、絵本のように軽やかで楽しい気持ちで読むことができる。ホテルのインテリアやサービスを題材に書かれた短いエッセイが多数収録されているが、その中で最も心に残ったのは、彼女が旅行にはカメラのほかに、カセット・テープレコーダーを必ず持っていくという話だ。この本が書かれた1980年代は、ちょうどテープ・レコーダーが一般に普及した頃だ。彼女は、旅先の様々な場面での音を録音して、旅から戻るとその音を聞いて、思い出を味わうのだそうだ。旅の記録としての音のアルバムづくりというのもいいなと思った。