クロワッサンで朝食を(2012, イルマル・ラーグ監督)

エストニアで、老人ホームで働きながら母親を看取った主人公のアンヌのもとに、はるか昔パリに移住したエストニア出身のフリーダの家政婦をして欲しいという仕事の依頼がくる。本作は、同じエストニア出身のアンヌとフリーダが、パリで出会い、紆余曲折を経て、互いを理解し合う存在になっていくプロセスを描いている。本作は、監督の母親が実際に経験したことにもとづいている。

「クロワッサン」は、フリーダの人生における美学とともにわがままさを象徴するものだ。「クロワッサン」は、アンヌとフリーダの関係性の変化を理解する上でも重要な意味を持つ。ふたりの女性の生き様から、生まれ育った国を離れて異国で生きる人びとが、年月を経てどのような経験をし、どのような喜び、孤独を感じているのかを想像する。