2017年12月1日神奈川新聞「世界と思いつなぐ手段」

東京五輪が開催された1964年にまつわる特集「1964の記憶」のコーナーで、当時のコミュニケーションをとりまく環境について取り上げられていた。電話(携帯電話)やインターネットが普及する前の時代、個人が個人に直接思いを伝える手段は、対面以外では手紙しかなかったと言って良いだろう。特に外国で暮らす人とのコミュニケーション手段という意味で、手紙は重要な役割を果たしていた。五輪前後で海外に文通相手(ペンフレンド)を持つことに憧れた人も多いようだ。そういうことも影響したのか、急増する郵便物に対応するために、五輪が行われた1964年に、現在ではあたりまえになった郵便番号制の導入の検討が始まり、1968年から郵便番号制がスタートした。郵便物数の推移のグラフを見ると、携帯電話とインターネットが全国的に普及した2000年頃をピークに、郵便物数は減少し続けている。その社会の変化に抗うわけではないが、今年もまた、外国で暮らす友人へのクリスマスカードや、お世話になっている人への年賀状を書いて送ろうと思った。