家族写真をめぐる私たちの歴史: 在日朝鮮人・被差別部落・アイヌ・沖縄・外国人女性(2016, 皇甫康子編)

「在日朝鮮人」、「被差別部落」、「アイヌ」と呼ばれ、社会的な少数派として差別され苦しんできた人びとが、自らの家族の歴史を「家族写真」を用いて再評価することを試みている。本書では、24人の女性たちが、自ら再評価した家族の歴史について、家族写真を用いて綴っている。社会的に抑圧されたり、他者に否定された歴史を乗り越える上で、写真を用いて語り合い、過去を見つめ直すことに大きな意味があることがわかる。その際に、写真を真実を写しているものとして扱わないことが重要だ。写真には真実を隠す力もあること。そのことをふまえて、語り合い、解釈する。このプロセスの中で、ひとりひとりが異なる歴史を持つ異なる存在であることを認め合いながら、前に進んでいったのだと感じた。