中動態の世界 意志と責任の考古学(2017, 國分功一郎)

『現代思想 2017年11月号』を読んで、「中動態」という概念に興味を持ち、本書の存在を知り、すぐに購入した。読む前と読んだ後では、〈世界〉が違って見える。現代を生きる私たちは、「能動態(する)」と「受動態(される)」の対立のパースペクティヴに慣れきってしまっているけれども、はるか昔は、「能動態」に対立するものとして存在していたのは「中動態」だったこと。「能動態(する)」と「受動態(される)」の対立の中では「意志」の概念が想起される。でも、実際の世界では自発的とも強制されたとも言い切れない、「中動態」でしか描けない行為や出来事がたくさんあること。「能動」「受動」の二者択一ではなくて、「能動」とも「受動」とも言い切れない、どちらでもあるような、どちらもが度合いを持つものとして共存している「中動態」のもとに世界が動いていると認識することで、私たちは「自由」に近づけるのだとわかり、希望を感じることができた。新年早々にこの本に出会えてよかった。