コルシア書店の仲間たち―須賀敦子コレクション(2001, 須賀敦子)

須賀敦子さんの本に出会ったのは、10年近く前のことだ。勤めていた会社を辞めてフィンランドに引っ越すことになった時に、会社の先輩が須賀敦子さんの本をプレゼントしてくれた。当時、引越しでドタバタしていたので、落ち着いたら読もうと思い、実家の本棚にしまってそのままになってしまっていた。先日、私が友人と企画開催している本の交換会「クリーニングデイ・ブックス」で、この本を手に入れ、あらためて須賀敦子さんの文章と出会い直した。本書は、彼女が20代から30代に過ごしたイタリアのミラノにある、コルシア書店という小さな本屋を舞台にしたエッセイを束ねたものだ。この本屋は「人間のことばを話す“場”をつくろう」という理念のもとにつくられた。この場所を生み出し、息づかせた人びとの物語が、美しい文章で綴られている。須賀敦子さんの全集を手に入れたくなった。