私がクマにキレた理由(2007, シャリ・スプリンガー&バーマンロバート・プルチーニ監督)

大学で人類学を学んだ主人公のアニーは、卒業してからすぐに大企業で働くことに違和感を感じ、偶然出会った裕福な家庭の子どものナニー(ベビーシッター)になる。本作はアニーがナニーとして、ニューヨークの上流家庭の暮らしを「参与観察」した結果見えてきたことを描いている。個人的には、アニーがナニーとしての仕事を、人類学のフィールドワークに見立てて省察しているのがおもしろい。

人類学者たちはこう信じている。“自分の世界を理解するためには未知の世界に身を沈めるべきだ”

フィールドワーカー(エスノグラファー)は、他者の生活世界を観察して理解しようと試みる過程で、実は自分の生きる世界、自分自身を「発見」していくのだということが表現されている作品だった。