2018年4月7日放送おはよう日本「ベルギー小さな町の挑戦 移民と住民の心の交流」

ベルギーのメヘレンは、移民・難民の受け入れに成功している町として知られている。ベルギーでは極右政党が支配し移民・難民の受け入れに消極的な時代もあったようだが、メヘレンでは現ゾーメルス市長が就任して以来、移民・難民ウェルカムの政策がとられてきた。代表的な制度としては「バディ制度」がある。バディは英語で「相棒」の意味だ。移民・難民が町に移住してくると、行政がボランティア登録されている住民とのマッチングを行い、バディとして紹介する。設定せれた交流期間中、バディとなった住民が、移住者の相談に乗ったり、語学を教えたり、互いの文化を知り合うためのさまざまな交流を行う。これによって移民・難民が社会で孤立することなく、住民に受け入れられ、町で居場所を見つけ、安心して生きられるようになる。調べてみると、ゾーメルス市長はこうした取り組みで世界市長賞を受賞し、移民・難民の若者による犯罪やテロの問題について、「強硬策だけでは若者の過激化は防げない」として、移民・難民と住民との信頼関係を育むことの重要性を述べていた。

バディ制度の有効性は、私自身の体験からも理解できる。私が小学生の頃に親の都合で突然アルゼンチンに引っ越し、現地校に通うことになった時、文化も言葉も見た目も違うクラスメイトの中に放り込まれ、孤立感を感じて1ヶ月間ほど登校拒否をした。担任の先生がいろいろと試行錯誤してくれたのだが、一番効果的だったのは、まさにこのバディ制度だった。クラスの中で一番まじめで落ち着いた子を私の「バディ」に任命して、私が言葉や生活に慣れるまで、その子が隣の席に座りサポートしてくれた。バディ制度は、移民・難民の受け入れだけでなく、あるコミュニティに新たなメンバーが入ってきた時に、そのメンバーが孤立することなく居場所を作れるようにするうえで有効な制度だろう。