AAPAとなりとのちがい vol.5

大学時代のゼミの先輩である上本竜平さんが2004年に立ち上げたAAPA(アアパ/ Away At Performing Arts)による公演『となりとのちがい vol.5』を観てきた。「観てきた」、ということばはふさわしくないかもしれない。「観る」という言葉を超える体験だった。何せ始まりからすごかった。北千住の駅前に集合し、案内人とともに、突然現れ商店街をうろうろ歩く演者竜平さんの後ろ姿を追いかけ、“尾行”しながら会場へ向かった。“尾行”というのは、自分がどこを歩いているのか、どこに向かっているかがわからなくなる行為だ。気がつけば必死に周囲を観察し、自分がいる場所の手がかりを得ようとしていた。そうこうしているうちに、会場に到着し、竜平さんとパートナーの永井美里さん、ゲスト演者が、客を巻き込みながらつくりあげていく世界の中に入っていた。舞台と客席、舞台裏と舞台、演者と観客、現実と虚構、身体と精神…あらゆる境目がわからなくなるような瞬間があった。自分が日常生活においていかに身体と精神の限られた部分しか使っていないかを感じ、圧倒されて興奮する、楽しい時間だった。また公演があったらぜひ行きたい。