2018年5月30日神奈川新聞「週半分超『孤食』15%」

2017年度の食育白書の概要が紹介されていた。食育白書とは、健全な食生活を送るため、食に関する知識の習得を助ける「食育」に関する政府の報告書だ。今回の報告によると、全ての食事を一人でとる日が週の半分を超える人は15.3%を占め、比率が上昇した。全ての食事を一人でとることについての感想として、「一緒に食べる人がいないため、仕方ない」と答えた人が31.1%いたことが気になった。

以前レビューを書いた書籍『「サル化」する人間社会』の中で、著者の山極寿一さんは、

改めて家族という物を定義してみると、それは「食事をともにするものたち」と言うことができます。どんな動物にとっても、食べることは最重要課題です。いつどこで何を誰とどのように食べるか、ということは非常に重要な問題です。

と書いている。山極さんはコミュニケーションとしての「共食」の習慣が消えたら、家族や共同体が崩壊するのではないかということを危惧している。今回の結果を見ると、「共食」をしたくても相手がいないからできないという人びとがいることがわかる。どちらが原因でどちらが結果なのか。単発のアンケート調査だけでは見えてこない、生活の状況や文脈を見てみたいと思ってしまう。