法のデザイン—創造性とイノベーションは法によって加速する(2017, 水野祐)

法律は絶対的で変えられないもの、法律は人びとの活動を規制するもの、といった見方がこの本を読むとガラリと変わる。本書で提案されているのは、「リーガルデザイン(法のデザイン)」、本書での説明を引用すると、

法の機能を単に規制として捉えるのではなく物事や社会を促進、ドライブしていくための「潤滑油」のようなものとして捉える考え方

である。すでに存在する法律に従うこと、大企業が作成した契約書のひな形や一方的に定められた利用規約にサインすることになれてしまった私たちは、法律や契約は本来人びとがデザインできるものであることを忘れてしまっているのだということに気づかされる。フィンランドに住んでいたころ「シチズンシップ教育」の取材をしたときに、このような話題が出たことを思い出した。法律や契約など、社会のルールを、あたりまえのもの、変えられないものだと思わずに、捉え直す。そのために対話をする。そういう発想を大切にしたい。