ボランティアという活動の形態は、実は貨幣による経済システムよりも先にあった、と金子は言う。
ボランティアは、言いだしっぺが損をするようなパラドックス(「自発性のパラドックス」)をともなっている。しかし、「ボランティアの行動原理は、(動的)情報発生の原理そのもの(p. 200)」である。ボランティア(そのものや、その行動原理や考え方)が情報社会の市民にとっての基盤にもなりうるというポジティブなメッセージ。そのうちレビューするけど、他のボランティア論では案外シニカルにボランティアをとらえている中で、この本は、ボランティアをひとつの希望として見ている。
金子郁容(1992)ボランティア もうひとつの情報社会,岩波新書.