情報社会と福祉国家(2005,カステルとヒマネン)

Castels, Manuel and Himanen, Pekka (2002) The information society and welfare state: The Finnish model. の邦訳。高橋睦子訳。

フィンランドに3年弱住んでいた筆者にとって、フィンランドは研究対象でもあり思い出の地でもある。原著が2002年に発表された本書は、研究対象としてのフィンランドの面白さを改めて感じさせてくれるものだった。論旨は、情報社会と福祉国家は共存しうるし、むしろ互いが支えあうような相補的な役割を果たしうるということ。詳細なデータをもとに、この「フィンランドモデル」を分析している。2016年の現在から見ると、少々時代を感じさせるが(表紙のパソコンの絵とか懐かしい)、それでもなお新鮮さが失われていない。フィンランドでは数年前NokiaがMicrosoftに買収され、かつて携帯電話販売台数世界一を誇った国民的ブランドの喪失を国民は悲しんでいたけれど、2010年に世界で初めてブロードバンド接続が基本的人権として認められるなど、世界に先駆けた情報社会作りを推し進めている。「情報社会」って言葉は実は日本生まれなわけだし、世界一の高齢社会なのだから、日本がこういうことをリードしていくべきなのかもしれないのだが。北欧では最近、ゲーム会社ががんばっているみたいです。

参考: Finland makes broadband a ‘legal right’ (1 July 2010 BBC)

 

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *