新しい科学/技術を拓いたひとびと(岡田ほか,1999)

岩波講座 科学/技術と人間 別巻。「7 G. ベイトソン -知の極地としてのメタローグ」中村雄二郎

グレゴリー・ベイトソン(Gregory Bateson 1904-1980)は、精神分裂病のダブル・バインド理論の提唱者であり、人類学者、サイバネティクス理論を社会理論に最初に応用した人物、イルカの知の高次機能を発見した比較行動学者。

彼の「思考のアクロバット」を促すのが「メタローグ」である。メタローグとは、「議論の構造がその内容を映し出すようなかたちで進行していくような仕組みを備えた<会話>」(p.121)である。例として、ベイトソンと、のちに言語学者・文化人類学者になるベイトソンの娘との会話が挙げられている。

娘:「物はなぜゴチャマゼになるの?」
父:「物って何?ゴチャマゼって何?」
娘:「わざと物をゴチャマゼにしようなんて人いないでしょ、物がひとりでにゴチャマゼになってしまうのよ・・・」

といった具合に、確率論やカオス論といった方向に会話が導かれていく。メタローグは、研究を進める時にリサーチクエスチョンを深めていく上で欠かせないといえるだろう。

 

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *