主人公のトゥルーマンは大きな家で妻と二人、幸せな生活を送っていた。ある日、空から照明器具が落ちてきたことで、何か変だと感じ始める。主演はジム・キャリー。この映画には、「映画の中の作られた世界」という二重の虚構世界があるわけだが、このストーリーが突飛だなどと感じさせない熱演を見せてくれる。この映画を見て、結局リアル(現実、現実性)とは何なのか?ということを考えずにはいられなかった。彼がその世界の成り立ちを知るまでは、彼の世界は「リアル」であった。しかしそれを知ってしまった途端、彼の過去までもが突然「リアル」だとは感じられなくなってしまう。しかし、彼が経験したことは「リアル」なものではなかったのか?「リアル」とは結局、自分が「リアル」だと思っている(信じている)モノやコトでしかないのだろうか。
有名人の私生活を覗き見するようなテレビ番組や、素人の「素」の生活の中で起こる騒動を取り上げるドキュメンタリー(風)のバラエティー番組が、ひとつのジャンルとして確立された感があるが、この映画は少なからず影響を与えたのだろう。メディア研究では、gaze(凝視)という概念がしばしば登場する。何かを垣間見るという行為は私たちにもともと備わった欲求なのだろうか。